物語
8作品を、紙製本や電子書籍にしています
1.『何ひとつ恥じることなく咲く花』
「自由の星」という天界で、何不自由なく暮らすアマネは退屈していた。
そこで、自分で人生のシナリオを準備し、ネガティブな感情を味わえる地球へ転生することにした。親友のミコトも一緒だった。
地球に降り立った天音と美琴も、親友で同級生だった。
高校卒業後、10年ぶりに再会した時には、天音は結婚して出産後、離婚していた。独身の美琴は、重い病を患っていて、二人とも幸せとはいえない状況だった。
病院での治療を拒んでいた美琴は、「未来へ繋ぐ」という施設を知り、天音の付き添いのもと療養に行くことにした。
「虹の森ホテル」という名の施設は、人生のシナリオの書き換えや、地球での役割の確認、人生に疲れて休息に来る人もいる現実離れした場所だった。
天音と美琴はホテルで、ピアニストの紳士、宇宙人の魂を持つ少女や天使、人の心が読める個性的なスタッフたちと出会い、今までの価値観が変わっていくのだった。
二人はホテルから元の世界に戻ると、それまでとは全く違う人生、「魂の生き方」へと変化していった。
多次元に渡る、友情、夫婦、家族…様々な形の「愛と調和」の物語。
2.『おっさん犬ロン、
宇宙学校の講師になる』
ある日、佐々木正治の飼い犬ロン宛に、COSMOスクールという宇宙学校から手紙が届いた。ロンの前世は人間で、自称「スーパーヒーロー犬」、実は関西弁の「おっさん犬」なのである。
手紙の内容は、ロンに宇宙学校の特別講師をしてほしいという依頼であった。
その依頼を受け教室に向かうと、国籍も年齢もまちまちの男女7人が、制服を着てイスに座っていた。
引きこもりの女子中学生マサミ、根暗で左目に黒い眼帯をした男性キクチ、カナダから来た女性ソフィア、スタイル抜群の女性ケイ、聖職者のような雰囲気の女性ヒジリ、白髪の老人フジイ、人間嫌いのナガブチという異色の生徒達であった。ロンの通訳ロボットとして「スーパーロン」という、カッコイイロボット犬が用意されていた。
1週間ほどの講座では、皆でそれぞれの事情を共有しながら、愛について語り合ったり、ネガティブな感情を解放するセラピーをしたり、癒しの温泉に入ったりもした。年齢も境遇も違う男女七人は時間と共に少しずつ心を開いていき、お互いに励まし合うようになっていった。
宇宙学校というだけあり、実際にテレビ画面を通して、宇宙人との交流の時間も設けられていた。
すべての講座が終わり、卒業式の日、生徒たちは自分達の課題を乗り越え、新しい人生に進むことへの希望を抱いていた。
最後の夜、お世話係の健太に勧めらたれワインを飲んだ正治は、意識が朦朧して記憶が薄れていくのだった。朝、目を覚ますと、カプセルの中で横たわっていることに気づく。
ロンと正治は、一体どんな世界に迷い込んでいたのか……。
4.『優しい今日を生きるために』
訪問介護ヘルパーの永遠(とわ)は、一人でいることが気楽な25歳の女性。新しい訪問先で、アルツハイマーの母をもつ、ひきこもりの優馬と出会う。二人は、お互いに繊細な心をもちながら、距離を縮めていった。
しかし、優馬は永遠の過去の恋愛経験を許せず、心を閉ざす。彼を立ち直らせようとする永遠は、職場の先輩や、元クラスメイトの父親、犬のロンに励まされ、辛い中にも、生きている実感を味わっていくのだった。
優馬も、偶然出会った犬のロンたちと関わっていくうちに、孤独だった心に変化が起こりはじめる。成長した永遠と優馬が望んだ道は……。
3.『前世が人間だった犬…ロン』
サラリーマンの正治は、しょぼくれ老犬ロンを飼っている。
ある日、突然ロンがヘンな関西弁でしゃべりだした!
天国へ旅立つ3日前に、意識が目覚めたというロンは、「転換期の地球」や「人間の進化」についてテレパシーで伝えはじめる。その内容に感心し、正治は家族と向き合うことにもなる。
そしてロンは、あっけなく天国に旅立った。2年後、隣人の飼い犬に生まれ変わった子犬のロンと正治は、再会することになる。
新しい人間関係が広がる中、耳の聞こえない誠くんやダウン症の守くん、娘の美穂たちと、夢の中のパラレルワールドで、正治とロンは交流していく。その世界で、誠くんと美穂は、前世では恋人同士だったことが分かる。不思議なことに、夢と同時に、現実の変化にもつながっていくのだった……。
ユーモアあるロンの言葉に、「新しい地球を生きるエッセンス」が散りばめられている、クスリと笑えるファンタジー。
5.『卯の花色の記憶』
34歳になる独身の葵は、老人保健施設で働いていた。彼女が、この仕事を選んだのには理由があった。
そこに、渡瀬という若い男性介護福祉士がスタッフとして職場にやってきた。彼もまた介護という仕事を選んだのには、訳がありそうだった。
介護施設の日常や恋愛、葵を中心にした様々な人の人生模様が浮き彫りになっていく。
彼女自身も、母と祖母の介護日記を綴った一冊の本をきっかけに、新しい人生の扉を開いていくことになっていくのだった。それは、周りの人達にも影響を与えていくことになっていく。
6.『ひがまれ隊劇団』
重い病気になり、女性としての幸せ・人生をあきらめかけた三十八歳のキョウコ。人生の再出発のため、ひがまれるくらい幸せになろう!と奮起して、劇団『ひがまれ隊劇団』を立ち上げた。
プライベートを明かさないまま集まった劇団メンバーは、どこか懐かしさを感じる人たちだった。劇団は中傷されることもあったが、それにもめげず、キョウコ自ら台本を書き、メンバーと共に、芝居の世界に夢中になっていった。
一作目は、『桜の舞う時』。一本の桜の木を中心に展開されていく人々の人生、人間模様。
その後、メンバーの一人が病気で亡くなり、失意の思いから立ち上がるために、キョウコは再び、二作目の公演を企画する決心をした。
二作目『それでも……愛という』は、一人の老人と、突然に現れた若い女性の一夜の恋物語である。
キョウコの書く「時空を越えた愛の物語」とメンバーの人生が、不思議とリンクしていき、それぞれの人生・恋愛模様が展開していく。そして、仲間としての絆も深まっていくのだった。
三回目の公演では、少しクセのあるメンバーが加わり、対応に苦戦しながらも、キョウコは芝居が面白くなっていくことを予感した。
キョウコは、三作目『心癒されて、幸せの未来へ…』の芝居の中で、人生への一歩を踏み出す「仕掛け」をした。はたして、キョウコと、メンバー一人一人の人生は、どのような展開になっていくのか…。
7.『女神を探して』
32歳になる独身の愛希は、夢に出てきた女神に「愛と平和と希望」をテーマに物語を書いてほしいと頼まれる。
その後、男友達トモさんに、昔の恋人を紹介される。それは、20年前の事故で寝たきりとなった鈴代という女性だった。
もう一人の男友達、翔君の紹介では、夢の中で「ボタンひとつの戦争体験」をした少年、康介君と会うことになる。少年を含む、夢の話に興味がある人たちが、二泊三日で海辺のペンションに集まることになった。
この集まりのメンバーに、ムックリという少々変わり者の男性がいた。彼の紹介では、ある療養所で責任者を務める由奈さんと出会うことになる。その療養所を訪れた愛希たちの目の前に、白い人影が通りすぎる。息を飲む一同。そこで出会ったのは……。
夢を見てからの愛希は、女神のような女性を中心に、連鎖して変化が起こっていくことに、生きることの意味を感じ始めていく。
8.『永遠の木』
7歳になる貧しい少女が、森で「不思議な木」と出会う。その木は、少女の望む物を次々と与えていく。そこから始まる少女の一生の物語。
やがて少女は、わがままで美しい女性に成長し、女優になる夢を叶えていく。自分の人生を自分で選択していく彼女。
その魂が、本当に望んでいたのは、何だったのか?